はじめの一歩を踏み出そう『第75回 プレゼンが話しやすくなる人が、実は手放しているもの~プレゼン前夜、台本を必死で覚えていませんか?〜』

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■ いとやん、かつての黒歴史を大いに語る

あれは、いとやんが20代のころ。
ある講義を任されて、めちゃくちゃ気合いが入っていた。

・板書で何を書くか
・どのタイミングで、何を話すか
・どんな言葉を使うか

――すべて、ノートにびっしり。
ページ数だけは立派。内容も「正しい」。
もうね、準備の量だけならこの道数十年の教授クラス(笑)

そして迎えた本番。

最初はうなずいてくれる人もいた。
反応も悪くないし、質問も少し出た。
「あ、これは流れ変えたほうがいいな」と内心思った。

……のに。

「いや、でも次はこの話をする予定やし」
「ここ、書いたから言わなあかんし」

そうやって“元の台本”に戻そうとした瞬間から、独り相撲が始まった。

参加者の表情?
……見えてない。
というか、見ないようにしてた(笑)

結果どうなったか。

言うべきことは全部言った。
時間もきっちり守った。
内容も、たぶん間違ってないし問題は発生していないはず。

でも──
聞いている人の心は、さざなみ一つ立っていなかった。

今ならわかる。
あれは講義じゃなくて、たんなる「台本の朗読会」やったなあって。

■変えたのは、準備の“量”じゃなく“持ち方

それからいろいろ試行錯誤して、あるとき思い切って、準備の仕方を変えた。

やったことは、めちゃくちゃシンプル。

原稿は作る。
でも、本番では全部持ち込まない。

代わりにやったのが、「最も大切なフレーズだけにアンダーラインを引く」 こと。

・ここは絶対伝えたい
・ここで空気を感じたい
・ここは相手の反応で膨らませたい

そんな言葉に、線を引くだけ。

流れは頭にある。
でも、言い回しは決めない。

すると何が起きたか。

■Before / After で見る、プレゼンの変化

【Before:ノートびっしり時代】

・オーディエンスの反応が気になっても軌道修正できない
・「戻さなきゃ」という焦りで頭がいっぱい
・終わったあと、どっと疲れる
・「ちゃんとやったはずやのに…」という虚しさ

【After:アンダーライン方式】

・相手の反応に合わせて話の順番を変えられる
・うなずきや笑いに“乗って”話せる
・その場で生まれる言葉が増える
・終わったあと、なぜか充実感が残る

一番大きかった違いはこれ、「一人でやっている感じ」が消えた。

プレゼンが、“自分が話す場”からオーディエンスと一緒に作る場”に変わった。

■ プレゼンが楽になる最大の理由

心理学的に言えば、これは「コントロール」を手放した分、関係性に意識を向けられるようになった状態。

人は、正確さを保とうとすると緊張し、つながろうとすると安心する。

安心すると、言葉も、表情も、声のトーンも自然に相手に届くようになる。

■ 本日のまとめでーす!

プレゼンを話しやすくするコツは、完璧な台本を持つことじゃない。

大切なのは、
・これだけは伝えたい言葉
・相手の反応を見る余白
・一緒に場を作る姿勢

そのための道具が、「アンダーライン」やったんやなと、今は思う。

次に話すときは、ノートを増やす前に線を引いてみて。

きっと、話す自分も、聞く相手も、今までよりずっとラクになるから。

だからこそ、ここまで読んでくださっているあなたへ── はじめの一歩を踏み出そう。

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この記事を書いた人

教育業界に20年以上携わってきましたが、気づかぬうちににストレスで潰されそうに。そんな時に偶然に出会ったNLP心理学によって物事の捉え方が大きく変わりました。一歩前に進めるスイッチの押し方により人生が音を立てて動き出す。そんな実感を一人でも多くの方と共有していきたいと思います。

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