豪華客船の話を聞きに行ったはずが、学んだのは「考え方」だった
私が著者椋田小夜子さんを知ったのは、ONtheUmedaでのイベントがきっかけでした。
テーマは豪華客船「飛鳥Ⅱ」の体験談。
コーチングや心理学に興味があったというより、「船旅ってどんな感じなんだろう?」という純粋な好奇心からの参加でした。
でも、印象に残ったのは船の豪華さ以上に、「同じ出来事でも、どう意味づけするかで人生は変わる」という姿勢。
その場でいただいた本をのちに読んで気づいたのですが、これはNLP(神経言語プログラミング)で言われる考え方と重なります。
出来事そのものに意味はない。
意味を決めているのは自分。
イベントの中には、すでにそのエッセンスがにじんでいたのかもしれません。
『奇跡の舞台裏』は“信頼をつくる力”の物語
『奇跡の舞台裏』では、大阪・関西万博を舞台としてチリで活躍する世界的マジシャンの通訳を担当した体験が語られています。
単なる通訳業務の話ではありません。
文化も言語も違う相手と向き合いつつ信頼関係を築き、最終的にはそのマジシャンからも厚い信頼を得て、最高のパフォーマンスを支える存在となる。
そこにあるのは、語学力だけではない力でした。
印象的なのは最初の募集が実際は通訳ではなく、スペイン語を用いるMCであったこと。
通訳が本職なら普通なら戸惑う場面です。
でも椋田さんはそれを拒まず、チャンスとして受け止めた。
NLPにはこんな前提があります。
「失敗はない。フィードバックがあるだけ」
想定外は“間違い”ではなく、自分のゴールに近づくための材料。
だからこそ、信頼が生まれ、結果として最高の舞台につながったのかもしれません。
直感・行動・氣・共感――限界を超えるための土台
本書の中で感じたのは、椋田さんの行動のベースにある
直感
行動
氣
共感
というキーワードです。
直感を大切にしながらも、準備は徹底する。
自分が物理的にも心理的にも心地よい状態を整える。
NLPではこれを「状態管理(ステート)」と言います。
人は能力そのものより、“心がどんな状態でいるか”で結果が変わる。
緊張して固まっているときと、リラックスして集中できているとき。
同じ人でもパフォーマンスはまったく違います。
氣功の話が出てくるのも、その延長線上なのでしょう。
身体も心も整える。
そしてもう一つ大きいのが「共感」。
たとえ生まれも育ちも価値観が大きく異なっていても、相手を理解しようとする姿勢があるからこそ言葉を超えた信頼が生まれる。
私たちはよく言います。
体力がないから無理
時間がないから無理
お金がないから無理
でもそれは、事実というより「思い込み」かもしれません。
この本は、「なんとかなる」という楽観論ではなく、“整えてから挑む”という実践の話。
文字量も多すぎず、エピソード中心で読みやすい。
難しい理論書ではなく、実際にあった体験だからこそイメージしやすい。
読み終わったあと、「できない理由」を探す前に、「別の意味づけはないかな?」と少し考えられる。
それだけでも、大きな一歩なのかもしれません。
ちなみに、椋田さんが昨年の読書記録で紹介した読んだ本の著者・徳沢精悟さんが主宰する講師を高単価講師実践会branchのメンバーでもあると知り、おおいに驚きました。
どうやら、いとやんが歩くとbranchに当たるらしい、もはや私が大阪にいる以上関わりなく生きていけなくなっているといっても過言ではないのかもしれません(笑)
これは偶然かもしれないし、意味づけの問題かもしれません。
しかしここから先の選択権は、いつも自分にあるのです。
「同じマジックでも通訳という“フィルター”を通すことで体験の意味が変わる」
みなさんが本書から何を得るかは異なると思いますが、はじめの一歩を踏み出すのには良いかもしれません。
なぜなら“出来事は一つ、解釈は無限”なのだから。

