「もう、この歳だから……」
そんな言葉を、ふと口にしてしまうことはありませんか。
「今さら新しいことを始めても遅い」
「こんなことをやってみたいけど、自分には無理だ」
「○○が解決しないうちは、動けない」
人生を長く生きてくると、いつの間にかそんな“もっともらしい行動しない理由”が次から次へ湧いてきませんか?
でも、本当にそうなのだろうか…と。
今回読んだのは、谷一善さんの『65歳からのひとりビジネス――やりたいことを見つけてセカンドキャリアをウェル・ビーイングに』。
実は谷さんとは、以前からご縁があります。
そしてこの本を読んで、私はこんなふうに感じました。
「まだまだここから、人生の後半成功させる準備せなあかん…」と(笑)
「覚えとらん」から始まったご縁(笑)
谷さんと初めてご一緒したのは、2019年に広島で開催されたコーチングイベントでした。
当時の谷さんはコーチのお一人で私は受講者の一人にすぎませんでした。
その道では大御所の方だと、私はその時から思っていました。
それから時が流れ、昨年、広島で心理学・コーチングのセミナーを共同主催させていただいた際に、谷さんにもお越しいただきました。
久しぶりにお会いしてごあいさつすると、「あんた、……覚えとらん」と、なんともつれないお返事(笑)。
まあ、そうでしょうねえ~、2019年に一度ご一緒しただけですから。
ところがセミナーが進むにつれて、少しずつ距離が近くなっていきました。
その中で谷さんが、「本を出したい」と力強くおっしゃっていたのが印象的でした。
そして今回、それが本当に一冊の本になったんですよ。
谷さん、上梓おめでとうございます!!
しかも、私がカープファンになったきっかけなどを知っていただいてから、さらに距離が近くなったような気がします、本当にそう思ってますよ。
そんな谷さんらしさは、この本にも出ています。
人生を野球のゲームにたとえ、人生の終盤、つまり7回・8回・9回をしっかり締めて勝つ。
そんな表現が登場します。
人生の後半戦を、野球になぞらえて語るところは、なんとも野球を愛する谷さんらしいです。
「やりたいこと」を見つける前に、自分を知る
本書の中心にあるのは、定年後のセカンドキャリアをどう形作っていくかということです。
谷さん自身、60歳少し前まで企業に勤め、その後はコーチングや地元大学での講師を勤められるなど、広島で現在も活躍なさっています。
そのご自身の経験も踏まえながら、「これからの人生を、どう生きていくのか」を考えさせてくれる本です。
その中で私が特に共感したのが、「まず、自分がどうしたいのかを明確にすること」という部分でした。
「こんなこと、できるわけがない」
「○○が解決しないうちは無理だ」
私たちは、いつの間にかそんな思い込みにとらわれてしまう。
そして、その思い込みによって「やりたいこと」そのものを小さくしてしまう。
だからこそ、まずは自分の心と、自分が持っている「武器」が出てくるんだよ。
では、どうやって知るのか。
本書では、
「どんなことなら一心不乱にできるのか」
「どんなことなら、やっていて嫌になることがないのか」
という視点が出てきますが、これがまた面白いんだね。
「自分には何ができるのか?」だけではなく、「自分は何をしているとき、夢中になれるのか?」と考えてみる。
そこから、自分の「やりたいこと」の輪郭が見えてくるのかもしれません。
そして、一つでも「これかな」と思うものが見つかったら、次は行動です。
ここは、私がずっと掲げている「はじめの一歩を踏みだそう」とも重なります。
一歩を踏み出せば、次の道が見えてくる
ただし、一歩を踏み出したからといって、必ず期待した結果が待っているとは限りません。
むしろ、「あれ? 思っていたのと違うぞ」ということもあるでしょう。
でも、そこで終わりではない。
何か行動を起こせば、必ず何かしらのフィードバックがあります。
うまくいった。
うまくいかなかった。
思わぬ人と出会った。
偶然、別の話が舞い込んできた。
その一つひとつに向き合い、対応していく。
すると、最初には見えていなかった次の道が、少しずつ見えてくる。
NLP心理学では「失敗はない、フィードバックがあるだけだ」という言葉がありますが、人生においてかなり大切であるに違いありません。
私たちはつい、「正解の道を見つけてから歩き出そう」と考えてしまいます。
でも、実際には逆なのかもしれません。
歩き出したから、次の道が見えてくる。
そう考えると、「まだ何も決まっていないから動けない」というのも、少し違って見えてきます。
本書のタイトルは『65歳からのひとりビジネス』ですが、私はこの本を読んで、
「65歳になった人のためだけの本」とは感じませんでした。
むしろ、「人生の後半戦を、どう自分らしく生きるか」または30~40代でも「これから人生の方向性を変えてチャレンジしたい」と思う人など、年齢に関係なく読める本だと個人的には捉えています。
そして何より、谷さん自身の姿が、そのことを語っているように感じました。
80歳を超えてもなお、コーチとして、講師として、人と関わりながら明るく誰かの力になるべく活躍されておられる。
そんな姿を見ていると、「人生って、今からでもまだまだいけるやん」と思えてきます。
私自身、この本を読みながら、もう一つ感じたことがあります。
それは、「今、自分がやっていることは、方向性として間違っていないんじゃないか」ということ。
誰かの悩みを聴く。
その人が自分の望んでいることに気づくお手伝いをする。
そして、その人が最初の一歩を踏み出すのを応援する。
それが、今の私がやっていることです。
もちろん、この先どうなるのかは分かりません。
でも、まず一歩を踏み出す。
そこで起きたことを受け止める。
人と出会う。
そこからまた次の一歩を考える。
そうやって進んでいけばいい。
谷さんの本を読んで、そんな方向性を肯定してもらえたような気がしました。
人生は9回裏まで何が起こるかわかりませんし生きている限り、まだ試合は終わっていない。
ならばみなさんも、最後まで自分らしいゲームを楽しんでみましょうよ。
その第一歩としてこの本をぜひ手にとってみてください。
さあ、はじめの一歩を踏みだそう!
人生の後半戦も、その一歩から始まるんだから。

