はじめの一歩を踏み出そう 第111回 なんでわかってくれないんだよ~職場で協力が得られないとき、どう動く?~

みなさん、こんにちは。今日も来てくださってありがとうございます。

さっそくですが、職場でこんなふうに感じたこと、ありませんか?

「職場のために頑張っているのに、どうして自分ばかり?」
「言わなくても、少しは気づいて動いてくれたらいいのに……」

真面目に職責を果たそうとする人ほど、周囲との連携がうまくいかず、疲れてしまうことがあります。

自分が頑張っていることは、職場全体のためでもある。

ところが、周りには「それ、やってくれて当たり前」と受け止められる。

感謝の言葉はなく、積極的に手伝ってくれる人もいない。

気づけば、掲示板もコピー機の紙補充も、なぜか自分ばかり。

「職場のためにやってるのに、なんでやねん!」

心の中で、思わず関西弁でツッコんでしまう。

そんな気持ちになるのも、無理はないっすよ。

実はこれ、職場だけの話ではないんです。

家庭でも、サークル活動でも、ふと気づくと「なぜか私だけ、お茶碗洗ってる」「なぜか私だけ、集金係になってる」ということ、ありますよね。

今回は、私が聞いた複数のお話をもとに、少しデフォルメした事例をご紹介します。

目次

「職場のために頑張っているのに」――Aさんの悩み

Aさんの職場では、提案書の作成や来訪者への対応など、幅広い業務をこなしています。

その中に、資料を取り寄せたお客様へフォローの電話をかけ、営業につなげる仕事があります。

ところが、課内のメンバーはそれぞれの担当業務に追われていて、このフォロー電話を毎日かけているのはAさんだけ。

課内で共有しているウェブ掲示板も、気づけばAさんの更新ばかりです。

他のメンバーに頼めば、その場では対応してくれます。

でも、「じゃあ、これからは私がやります」と継続的に引き受けてくれる人はいません。

Aさんの心の声は、こんな感じです。

「これ、私だけの仕事じゃないよね? 職場全体のための仕事なんやぞ!」

そんな中、退職や異動が重なって、職場の人数が減りました。そこへ新メンバーのBさんが加わります。Bさんは時短勤務の契約です。

Aさんは期待しました。「やった、仲間が増える! これで少し楽になるぞ」と。

ところが、実際に一緒に働いてみると、Bさんは担当業務以外にはあまり関わろうとしません。フォロー電話も自分からはかけませんし、電話が鳴っても出ようとしない。

Aさんの不満は、少しずつ、じわじわと、お鍋の底の焦げつきのように大きくなっていきました。

「新しい人が入ったら、少しは楽になると思ったのに……」

たまりかねたAさんは、直属の課長に相談します。

課長は日頃のAさんの努力をねぎらってくれました。

ありがたい。ところが、Bさんを含めた他のメンバーへの指導や、業務分担の見直しについては、はっきりした約束は得られません。

返ってきたのは、こんな一言でした。

「あなたから積極的に声をかけてくれる?」

……それ、ボールがこちらに返ってきましたね。

Aさんは一般職員です。

声をかけることはできても、課内の業務分担を決める権限までは持っていません。

かといって、これ以上声をかけ続ければ、疎まれて孤立してしまうかもしれない。

「もう、辞めるしかないのかな……」

Aさんの頭に、退職という選択肢が浮かぶようになりました。

さて、いかがでしょうか。

似たようなこと、みなさんの職場でも起こっていませんか?

相手を変える前に、動きにくい理由を考えてみよう

では、Aさんはどうすればよいのでしょうか。

まず大切なのは、他人は自分と同じ価値観や行動パターンで動いているわけではない、と理解することなんですね。

NLP心理学でも、人はそれぞれ違う「地図」(ものの見方や経験)を持っている、という考え方が紹介されています。

「これくらい、言わなくてもわかるでしょ」
「職場のためなんだから、当然やってくれるはず」

そう思う気持ち、よくわかります。

でも、自分にとっての当然が、相手にとっても当然とは限りません。

だからこそ、協力をお願いするときは、相手が動きにくい理由を聞いてみることが大切です。

たとえば、こんな理由が考えられます。

① 「どこまで自分が担当すればいいのかわからない」

担当範囲があいまいで、どこまで手を出していいのか判断できないのかもしれません。親切のつもりで手を出したら「それ、私の担当です」と言われそうで怖い、という場合もあります。

この場合は、担当や手順を見える化するのが有効です。最初は単発の依頼から始めて、慣れてきたら少しずつ範囲を広げる方法もあります。

② 「他の業務が立て込んでいて、手が回らない」

本人は協力したくても、すでに業務量が限界に近い可能性があります。頭の中の「やることリスト」がパンパンで、新しい用件が入る隙間がない状態です。

この場合は、誰がどの業務を担っているのかを整理し、課長や責任者に業務分担の見直しを相談する必要があります。

③ 「やり方がわからない。失敗するのが怖い」

経験が少なく、自信がないために動けないのかもしれません。

知らない番号に初めて電話をかけるのは、ベテランでもちょっとドキドキしますよね。

その場合は、手順を説明したり、最初の数回を一緒に行ったりすることで、安心して取り組めるよう支援できます。

もちろん、これらはあくまで可能性です。

本人に聞いてみなければ、本当の理由はわかりません。

また、Bさんには時短勤務という事情もあります。

勤務時間や契約上の担当範囲によっては、他のメンバーと同じ業務を担うことが難しい場合もあるでしょう。

大切なのは、最初から「協力する気がない」と決めつけず、本人の事情と職場の仕組みの両方を確認することです。

決めつけは、探偵ドラマなら序盤で外れる推理じゃないですか(笑)

一人で抱え込まず、協力の仕組みをつくろう

ここで、心理学の「自己決定理論」をご紹介します。

この理論では、人が自発的に行動するために、主に次の3つの心理的欲求が大切だとされています。

  • 自律性:自分で考え、選んで行動できる
  • 有能感:自分にもできるという感覚がある
  • 関係性:周囲とつながり、受け入れられていると感じる

つまり、ただ「やってください」と頼むだけでなく、仕事の目的を共有し、必要な説明や支援をして、相手の事情を聞くことが、自発的な協力につながる可能性があるわけです。

では、Aさんが具体的にできることを考えてみましょう。

【まずは、協力を具体的にお願いする】

「もっと協力してください」だけでは、相手も何をすればいいのかわかりません。

「もっと」って、どのくらい? となりますよね。

たとえば、こんなふうに。

「今日、資料請求のお客様が5件いらっしゃいます。手が空いていたら、2件だけフォロー電話をお願いできますか?」

具体的な業務と量を示して頼んでみる。

そのうえで、相手が難しそうなら、理由を聞いてみます。

「今、何か手が回らない事情がありますか?」

責めるためではなく、協力しやすい方法を一緒に探すための質問です。

【業務分担は、責任者と一緒に考える】

Aさんが、課内の業務分担をすべて決める必要はありません。

むしろ、誰がどの業務を担っているのかを整理して、課長に具体的に相談することが大切です。

「フォロー電話がAさんに集中しています。課内で担当を決めるか、曜日ごとに分担することはできませんか?」

単に「困っています」と伝えるだけでなく、現状と改善案をセットにすると、話し合いが進みやすくなりますよ。

上司には、業務分担や優先順位を調整する役割があります。

一人で抱え込まず、責任者に判断を求めることも、職場を支える大切な行動です。

【それでも難しいときは、相談相手を増やす】

上司に相談しても改善が見られない場合は、信頼できる同僚や他部署の人に話してみるのも一つの方法です。

もちろん、ただ愚痴を言って終わるのではなく、状況を整理して、別の視点や具体的なアドバイスをもらうことを目指したいですね(とはいえ、愚痴で心が軽くなる日もあります。それも大事です。)

職場で意見や困りごとを安心して伝えられる環境は、協力関係を築くうえでも重要です。

一方で、最初から「この人たちには何を言っても無駄だ」と決めつけて、コミュニケーションを断ってしまうと、状況を改善する機会も失われてしまいます。

まずは、話せる人を一人見つけることから始めてみませんか。

本日のまとめでーす!

職場のために真摯に頑張ることは、とても大切です。

でも、職場のために頑張ることと、自分を犠牲にすることは同じではありません。

相手には相手の事情があるかもしれない。

自分には、できることと、権限上できないことがある。

だからこそ、相手の事情を聞き、業務を見える化し、必要なことは上司に相談する。

そして、どうしても改善が難しいときは、自分の心身を守るために、今の職場に残るのか、新しい環境を探すのかを考えてもいいのです。

真面目に頑張る人が、孤立せず、安心して力を発揮できる職場であってほしい。

そのために、まずは一人で抱え込まず、誰かに相談するところから始めてみませんか?

職場の「もやもや」を抱え込まない。

そんな小さな一歩を、一緒に踏み出してみましょう。

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

また次回、笑顔でお会いしましょう!

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この記事を書いた人

教育業界に20年以上携わってきましたが、気づかぬうちににストレスで潰されそうに。そんな時に偶然に出会ったNLP心理学によって物事の捉え方が大きく変わりました。一歩前に進めるスイッチの押し方により人生が音を立てて動き出す。そんな実感を一人でも多くの方と共有していきたいと思います。

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