みなさん、こんにちは。今日も来てくださってありがとうございます。
さっそくですが、職場でこんなふうに感じたこと、ありませんか?
「職場のために頑張っているのに、どうして自分ばかり?」
「言わなくても、少しは気づいて動いてくれたらいいのに……」
真面目に職責を果たそうとする人ほど、周囲との連携がうまくいかず、疲れてしまうことがあります。
自分が頑張っていることは、職場全体のためでもある。
ところが、周りには「それ、やってくれて当たり前」と受け止められる。
感謝の言葉はなく、積極的に手伝ってくれる人もいない。
気づけば、掲示板もコピー機の紙補充も、なぜか自分ばかり。
「職場のためにやってるのに、なんでやねん!」
心の中で、思わず関西弁でツッコんでしまう。
そんな気持ちになるのも、無理はないっすよ。
実はこれ、職場だけの話ではないんです。
家庭でも、サークル活動でも、ふと気づくと「なぜか私だけ、お茶碗洗ってる」「なぜか私だけ、集金係になってる」ということ、ありますよね。
今回は、私が聞いた複数のお話をもとに、少しデフォルメした事例をご紹介します。
「職場のために頑張っているのに」――Aさんの悩み
Aさんの職場では、提案書の作成や来訪者への対応など、幅広い業務をこなしています。
その中に、資料を取り寄せたお客様へフォローの電話をかけ、営業につなげる仕事があります。
ところが、課内のメンバーはそれぞれの担当業務に追われていて、このフォロー電話を毎日かけているのはAさんだけ。
課内で共有しているウェブ掲示板も、気づけばAさんの更新ばかりです。
他のメンバーに頼めば、その場では対応してくれます。
でも、「じゃあ、これからは私がやります」と継続的に引き受けてくれる人はいません。
Aさんの心の声は、こんな感じです。
「これ、私だけの仕事じゃないよね? 職場全体のための仕事なんやぞ!」
そんな中、退職や異動が重なって、職場の人数が減りました。そこへ新メンバーのBさんが加わります。Bさんは時短勤務の契約です。
Aさんは期待しました。「やった、仲間が増える! これで少し楽になるぞ」と。
ところが、実際に一緒に働いてみると、Bさんは担当業務以外にはあまり関わろうとしません。フォロー電話も自分からはかけませんし、電話が鳴っても出ようとしない。
Aさんの不満は、少しずつ、じわじわと、お鍋の底の焦げつきのように大きくなっていきました。
「新しい人が入ったら、少しは楽になると思ったのに……」
たまりかねたAさんは、直属の課長に相談します。
課長は日頃のAさんの努力をねぎらってくれました。
ありがたい。ところが、Bさんを含めた他のメンバーへの指導や、業務分担の見直しについては、はっきりした約束は得られません。
返ってきたのは、こんな一言でした。
「あなたから積極的に声をかけてくれる?」
……それ、ボールがこちらに返ってきましたね。
Aさんは一般職員です。
声をかけることはできても、課内の業務分担を決める権限までは持っていません。
かといって、これ以上声をかけ続ければ、疎まれて孤立してしまうかもしれない。
「もう、辞めるしかないのかな……」
Aさんの頭に、退職という選択肢が浮かぶようになりました。
さて、いかがでしょうか。
似たようなこと、みなさんの職場でも起こっていませんか?
相手を変える前に、動きにくい理由を考えてみよう
では、Aさんはどうすればよいのでしょうか。
まず大切なのは、他人は自分と同じ価値観や行動パターンで動いているわけではない、と理解することなんですね。
NLP心理学でも、人はそれぞれ違う「地図」(ものの見方や経験)を持っている、という考え方が紹介されています。
「これくらい、言わなくてもわかるでしょ」
「職場のためなんだから、当然やってくれるはず」
そう思う気持ち、よくわかります。
でも、自分にとっての当然が、相手にとっても当然とは限りません。
だからこそ、協力をお願いするときは、相手が動きにくい理由を聞いてみることが大切です。
たとえば、こんな理由が考えられます。
① 「どこまで自分が担当すればいいのかわからない」
担当範囲があいまいで、どこまで手を出していいのか判断できないのかもしれません。親切のつもりで手を出したら「それ、私の担当です」と言われそうで怖い、という場合もあります。
この場合は、担当や手順を見える化するのが有効です。最初は単発の依頼から始めて、慣れてきたら少しずつ範囲を広げる方法もあります。
② 「他の業務が立て込んでいて、手が回らない」
本人は協力したくても、すでに業務量が限界に近い可能性があります。頭の中の「やることリスト」がパンパンで、新しい用件が入る隙間がない状態です。
この場合は、誰がどの業務を担っているのかを整理し、課長や責任者に業務分担の見直しを相談する必要があります。
③ 「やり方がわからない。失敗するのが怖い」
経験が少なく、自信がないために動けないのかもしれません。
知らない番号に初めて電話をかけるのは、ベテランでもちょっとドキドキしますよね。
その場合は、手順を説明したり、最初の数回を一緒に行ったりすることで、安心して取り組めるよう支援できます。
もちろん、これらはあくまで可能性です。
本人に聞いてみなければ、本当の理由はわかりません。
また、Bさんには時短勤務という事情もあります。
勤務時間や契約上の担当範囲によっては、他のメンバーと同じ業務を担うことが難しい場合もあるでしょう。
大切なのは、最初から「協力する気がない」と決めつけず、本人の事情と職場の仕組みの両方を確認することです。
決めつけは、探偵ドラマなら序盤で外れる推理じゃないですか(笑)
一人で抱え込まず、協力の仕組みをつくろう
ここで、心理学の「自己決定理論」をご紹介します。
この理論では、人が自発的に行動するために、主に次の3つの心理的欲求が大切だとされています。
- 自律性:自分で考え、選んで行動できる
- 有能感:自分にもできるという感覚がある
- 関係性:周囲とつながり、受け入れられていると感じる
つまり、ただ「やってください」と頼むだけでなく、仕事の目的を共有し、必要な説明や支援をして、相手の事情を聞くことが、自発的な協力につながる可能性があるわけです。
では、Aさんが具体的にできることを考えてみましょう。
【まずは、協力を具体的にお願いする】
「もっと協力してください」だけでは、相手も何をすればいいのかわかりません。
「もっと」って、どのくらい? となりますよね。
たとえば、こんなふうに。
「今日、資料請求のお客様が5件いらっしゃいます。手が空いていたら、2件だけフォロー電話をお願いできますか?」
具体的な業務と量を示して頼んでみる。
そのうえで、相手が難しそうなら、理由を聞いてみます。
「今、何か手が回らない事情がありますか?」
責めるためではなく、協力しやすい方法を一緒に探すための質問です。
【業務分担は、責任者と一緒に考える】
Aさんが、課内の業務分担をすべて決める必要はありません。
むしろ、誰がどの業務を担っているのかを整理して、課長に具体的に相談することが大切です。
「フォロー電話がAさんに集中しています。課内で担当を決めるか、曜日ごとに分担することはできませんか?」
単に「困っています」と伝えるだけでなく、現状と改善案をセットにすると、話し合いが進みやすくなりますよ。
上司には、業務分担や優先順位を調整する役割があります。
一人で抱え込まず、責任者に判断を求めることも、職場を支える大切な行動です。
【それでも難しいときは、相談相手を増やす】
上司に相談しても改善が見られない場合は、信頼できる同僚や他部署の人に話してみるのも一つの方法です。
もちろん、ただ愚痴を言って終わるのではなく、状況を整理して、別の視点や具体的なアドバイスをもらうことを目指したいですね(とはいえ、愚痴で心が軽くなる日もあります。それも大事です。)
職場で意見や困りごとを安心して伝えられる環境は、協力関係を築くうえでも重要です。
一方で、最初から「この人たちには何を言っても無駄だ」と決めつけて、コミュニケーションを断ってしまうと、状況を改善する機会も失われてしまいます。
まずは、話せる人を一人見つけることから始めてみませんか。
本日のまとめでーす!
職場のために真摯に頑張ることは、とても大切です。
でも、職場のために頑張ることと、自分を犠牲にすることは同じではありません。
相手には相手の事情があるかもしれない。
自分には、できることと、権限上できないことがある。
だからこそ、相手の事情を聞き、業務を見える化し、必要なことは上司に相談する。
そして、どうしても改善が難しいときは、自分の心身を守るために、今の職場に残るのか、新しい環境を探すのかを考えてもいいのです。
真面目に頑張る人が、孤立せず、安心して力を発揮できる職場であってほしい。
そのために、まずは一人で抱え込まず、誰かに相談するところから始めてみませんか?
職場の「もやもや」を抱え込まない。
そんな小さな一歩を、一緒に踏み出してみましょう。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
また次回、笑顔でお会いしましょう!

