私は今、市が運営している起業セミナーに参加させてもらっています。
そこで学んでいるのが、「エフェクチュエーション」という考え方なんですね。
簡単に言えば、「未来を予測して、そこから逆算して計画する」のではなく、「今、自分が持っているもの」から動き始める。
そんな発想です。
考えてみれば、今の社会は数年先どころか、1年先のことだってなかなか予測できません。
10年前に、コロナによって社会の機能が大きく変わるなんて、誰が想像したでしょう。
「酷暑日」という言葉が当たり前のように使われたり、ChatGPTのようなAIがこれほど身近になったりすることも、みなさんも想像できましたか?
そんな時代に、最初から完璧なゴールを設定して、そこから逆算して最適解を導き出す。
もちろん計画は大切ですが、それだけでは対応できないことも増えているように思います。
だからこそ、
「今、自分にできることから、とりあえず動いてみる」
このようなエフェクチュエーションの考え方に、私は興味を持ったんです。
実は、これって事業経営だけの話ではないんです。
実は、私がずっと書いてきた、「はじめの一歩を踏み出そう」という考え方にも、よく似ているんですよ。
「やろう」と思っても、人はなかなか動けない
心理学には、「意図―行動ギャップ(intention-behavior gap)」という考え方があります。
「やろう」と思うことと、実際に行動することの間には、かなり大きな隔たりがある。
Sheeran(2002)のレビューでは、行動する意図を持った人のうち、実際には行動しなかった人の割合が、研究の中央値で47%だったとされています。
つまり、
「やりたい」と思った。
「やろう」と決めた。
でも、実際には動かなかった。
そんな人が、決して珍しくないということです。
これは、決して「意志が弱い」という話ではありません。
特に、初めてのことに挑戦するときはそうですよね。
起業でも、転職でも、資格取得でも、新しい活動でも、
「まず何を勉強すればいいんだろう?」
「失敗したらどうしよう?」
「本当に収入になるんだろうか?」
「もっと準備してからのほうがいいんじゃないか?」
と考え始める。
そして調べれば調べるほど、やらなければいけないことが増えていく。
気がつけば、「もう少し準備してからにしよう」となってしまう。
もちろん、準備することは大切です。
でも、準備だけで終わってしまったら、いつまで経ってもはじめの一歩はふみだせませんよ。
「今の自分にできること」から始めてみる
さてここで、エフェクチュエーションの考え方が生きてきます。
「最終的にどうなるか」を完璧に決めてから動くのではなく、「今の自分には、何ができる?」と考えてみる。
例えば、「起業したい」と思ったとしても、いきなり会社を作らなくてもいい。
まずは誰かに話を聞いてみる。
興味のある分野を調べてみる。
一度だけ小さなイベントをやってみる。
SNSで発信してみる。
商品やサービスを一人に試してもらう。
そんな小さな行動でもいいんです。
やってみれば、そこで何かが分かります。
「これは思っていたより面白い」
「ここは自分には向いていない」
「こういう人に喜んでもらえるんだ」
「ここはもっと勉強しないといけない」
そうやって、行動したことで初めて見えてくるものがあります。
うまくいかなかったとしても、それで終わりではありません。
NLP心理学には、「失敗はない。フィードバックがあるだけ」という概念があるんです。
もちろん、何でも前向きに捉えればいいという話ではありません。
うまくいかなかった理由を考えたり、周囲の人から意見をもらったりする。
自分一人の判断だけでは見えなかったものが、誰かの一言で見えてくることもあります。
だから、「やってみる」→「分かる」→「修正する」→「またやってみる」
この繰り返しでいいんじゃないでしょうか。
最初から正解を出す必要はないんですよね。
「やりたい」を、なかったことにしない
私は、ここが一番大切なのではないかと思っています。
何かをやりたいと思った。
でも、
「無理だろう」
「自分にはできない」
「失敗するかもしれない」
そう考えて、その気持ちに蓋をしてしまう。
もちろん、すべての「やりたい」を実現しなければならないわけではありません。
途中で「これは違った」と気づくことだってあります。
でも、最初から動かずに諦めてしまうのは、少しもったいない。
なぜなら、「やってみた結果、違った」のと、「やらなかったから分からなかった」のでは、意味が違うからです。
だからこそ、私はスモールステップでいいと思っているんですよ。
大きな一歩じゃなくていい。
誰かに話してみる。
調べてみる。
申し込んでみる。
一度だけやってみる。
今日できることを一つだけやってみる。
それだって立派な「はじめの一歩」です。
現在、事業を成功させている人も、夢に向かって走っている人も、最初から今の場所にいたわけではありません。
きっと最初は、「ちょっとやってみようかな」だったはずです。
先の結果が分からないからこそ、今できることから始めてみる。
エフェクチュエーションという考え方を学びながら、私は改めてそんなことを感じています。
本日のまとめでーす!102回目の「はじめの一歩」
「やりたいことはある。でも、なかなか動けない」
そんな人は、きっと少なくないと思います。
でも、それはあなたの意志が弱いからではないのかもしれません。
未来が見えないからこそ、動くことが怖い。
失敗したくないから、準備を続けてしまう。
そんなこともあるでしょう。
だから、いきなり大きな一歩を踏み出さなくてもいい。
「今の自分にできることは何だろう?」
まず、そこから考えてみませんか?
未来の正解を探してから動くのではなく、動きながら、自分なりの答えを探していく。
それも一つの生き方なのだと思うんです。
できることを、できる範囲で。そして、できれば情熱を持って。
あなたが今、心のどこかで「やってみたい」と思っていることは何でしょう?
大きな夢じゃなくてもいい。
今日できる小さなことでいい。
先の結果よりも、まずは「やってみなはれ」。
102回目も、さあはじめの一歩を踏み出そう。

